人手不足を解消できる原理・原則

先日のブログでも触れたとおり、厚生労働省が平成29年に公表したデータで、離職率が高い業界は求人倍率が高い。つまり、辞めた従業員の代わりを求めている企業が圧倒的に多いことが判明しています。しかし、辞めた従業員の代わりに若年従業員を充てても必ずすぐに辞めます。
何故辞めたのか、を明確に把握し、若年労働者を辞めさせない仕組みを作らない限り、穴の開いたバケツに次から次に水を張り続けることが仕事になります。

一方、人手不足を克服した状態は、バケツが奇麗な水で満杯になっている状態ということになります。

1.バケツに水を入れる = 採用

バケツを水で満たすためには、まずはバケツに新しい水を入れることが必要です。この新しい水を入れる行為が「採用活動」です。従業員が一人も退職しない会社ということはありえませんから、バケツ理論で考えると、どのようなバケツであれ必ず多少は穴が空いていて水がこぼれていく状態となっています。ですから、定期的に新しい水を加えていかなければ、どんなバケツもいつか空っぽになってしまいます。したがって、採用活動は企業経営には必要不可欠な重要な要素といえ、日々各社がしのぎを削って競争している、最も厳しい戦場となっています。

2.バケツの水をかき混ぜる = 育成

次に、バケツにたまった水は、定期的・継続的にかき混ぜてあげなければなりません。たまった状態で放置をしてしまっては、あっという間に水が腐って汚れてしまうからです。この水を混ぜてあげる行為が「育成活動」です。仮に一度混ぜるのをさぼってしまい、水が腐って汚れだしてしまうと、次はただ混ぜるだけでは水は奇麗になりません。水をろ過したり、場合によっては入れ替えが必要なケースもでてきます。このように一度バケツの水が汚れだしてしまうと、再び奇麗な状態にするのは至難の業ですから、水が汚れないように、常にかき混ぜてあげて、新鮮な状態を維持していくことが大切です。バケツに水を入れる行為と比べて見落とされがちな視点であり、取り組みが不足しがちな点です。

3.バケツの穴を防ぐ = 定着

前述の通り、どのようなバケツにも多かれ少なかれ穴が空いていますが、その穴の大きさや量はバケツによって異なります。最小限の穴しかないバケツもあれば、大きな穴だらけで、入れた水がそのまま漏れてしまっているようなバケツもあります。この穴から流れ出る水が人材流出であり、この穴をふさぐ行為が「定着活動」となります。バケツに穴が大量に空いている状態では、バケツを奇麗な水で満杯にすることは不可能ですから、大きな穴から優先して塞いでいく意識が求められます。人手不足対策の成否を決めるポイントといえます。

どんなにバケツに新しい水を入れたとしても、どんなにバケツの中の水をかき混ぜたとしても、バケツに大きな穴が多数空いている状態では、バケツの中の水はあっという間になくなってしまいます。言い換えれば、バケツに大きな穴が多数空いている状態では、どんなにバケツの中に水を入れても、どんなにバケツの中の水をかき混ぜたとしても、まったく効果はありません。したがって、バケツを奇麗な水で満杯にしたいと思ったら、まずはバケツの穴を下から優先順序をつけて修理していくことが必要不可欠な活動となります。

この優先順序を定量的に図れるのが従業員満足度調査(モラールサーベイ)です。


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