求職者はどこにいる?

ちょっと前。2~3年前までは求人を出したら、必ず反応がありました。しかし、最近。特に今年に入ってからは求人を出しても全く申込みがなかったり、面談交通費目当ての求人者しかこなかったり、という話を良く耳にするようになりました。

求職者はいったいどこにいるのでしょうか?

①日本は完全雇用状態なので、無職で求職中という人物自体がほとんど存在していない状態です。
②無職で求職中の人物が、会社で必要としている能力を有していることはほとんど期待できません。
③求人側・求職者側ともに、どこにどのような求人・求職者が存在するかをすぐに知ることができないので出会うことも一苦労です。
④無職で求職中という人物がいたとしても、職業、年齢、賃金、雇用形態、地域などについて、求職者の希望と会社側の希望が一致することはほとんどありません。

という状況では無職で求職中という人物を入社させようと考えても実現不可能です。そこで、無職で求職中の人物以外が求職者である、と考えを変えなければなりません。

それでは、いったい無職で求職中の人物以外は、どこにいて、何人いるのでしょうか?

先日のブログで触れたとおり、非正規雇用、特に不本意非正規労働者を見てみると、全年齢では273万人。完全失業者が167万人とされているので、完全失業者以上に不本意非正規労働者が存在していることがわかります。15~24歳で21万人、25歳~34歳で57万人存在しています。特に、「宿泊業,飲食サービス業」、「卸売業,小売業」、「生活関連サービス業,娯楽業」で不本意非正規労働者が多いという特徴があります。職業別にみると、「販売従事者」、「サービス職業従事者」です。

若年の不本意非正規労働者は

①若いため、企業が求める経験やノウハウ、スキルがなく非正規しか職がない
②非正規のため教育訓練を受ける機会が正社員の50%程度しかなく、ノウハウ、スキルを取得することができない
③現在の賃金は低く、昇級・雇用転換の機会もない

という状況に置かれており、常に転職によって新しい環境に身を置こうとしています。

そのため、転がる石には苔が生えぬということわざのとおり、全く相反する二つの可能性を内包しています。「職業や住まいを転々と変える人は金がたまらず、友人もできない」だけでなく、「常に活動的な人は新鮮である」です。

生きる目的を持てる会社であれば、必ず化学反応は起こります。一方で、辞めた従業員の代わりを求めているだけ、という企業が圧倒的に多い現状があります。

厚生労働省が平成29年に公表したデータでも、離職率が高い業界は、求人倍率が高い。つまり、辞めた従業員の代わりを求めている企業が圧倒的に多いのです。

辞めた従業員の代わりに若年従業員を充てても、必ず辞めます。

何故辞めたのか、の原因を明確に把握し、若年労働者を辞めさせない仕組みを作らない限り、永久にザルに水を張り続けることが経営者の仕事になります。

一般に石を積んでも積んでも崩される賽の河原のことを地獄といいます。知らず知らずの内に、自ら地獄を作りだして苦しんではいませんか?


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